世界の大学選びにおいて、サステナビリティ(持続可能性)が重要な指標となっているのをご存知ですか?気候変動や環境問題への対策は、もはや一部の専門家だけのものではなく、あらゆるビジネスや学問において避けては通れないテーマです。

特にイギリスの大学は、世界最高水準の研究力と伝統を誇る一方で、地球の未来を守るための「変革」においても世界の先頭を走っています。2026年の最新ランキングでも、英国の多くの大学が社会・環境への貢献度で高く評価されました。

今回は、サステナビリティへの取り組み、および学部コースにおいて注目を集める、イギリスにおける国内ランキングトップ10の大学をご紹介します。

Sustainability Uk University

この記事でわかること

  • サステナブル分野ランキング上位のイギリス大学10校
  • 各大学の特徴と雇用評価が高い理由
  • サステナブルなイギリス大学に関するよくある質問

イギリスでサステナビリティ分野に優れた大学10校

2026年のQS世界大学ランキング(サステナビリティ部門)では、大学が環境に与える影響、社会的影響力、そして新たに加わったガバナンスの面で評価されました。サステナビリティ分野に優れたイギリス大学を10校ご紹介します。

順位 大学名 世界ランキング*
1 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン 世界第3位
2 エディンバラ大学 世界第4位
3 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス 世界第6位
4 インペリアル・カレッジ・ロンドン 世界第7位
5 マンチェスター大学 世界第10位
6 オックスフォード大学 世界第14位
7 キングス・カレッジ・ロンドン 世界第16位
8 ブリストル大学 世界第19位
9 ダラム大学 世界第24位
10 リーズ大学 世界第24位

1. ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン

University College London

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(University College London: UCL)は、1826年にロンドンで最初に設立された大学であり、宗教や階級を問わず門戸を開いた先駆的な教育機関として知られています。世界大学ランキングでも常にトップクラスに名を連ね、これまで30名以上のノーベル賞受賞者を輩出してきたイギリス名門大学の一つです。

その伝統あるアカデミックな背景を基盤としながら、現代においては地球規模の課題解決を牽引するリーダーとしての役割を強めており、特にサステナビリティの分野では英国のみならず世界をリードする革新的な取り組みを次々と打ち出しています。

UCLが新たに発表した「サステナビリティ計画 2025-2035」は、地政学的な変動や異常気象、急速な技術進歩が交錯する現代を「サステナビリティの新時代」と定義し、今後10年間で大学のシステムそのものを根本から変革することを目指しています。この計画は2019年から進めてきた戦略をさらに深化させたもので、大胆な野心とデータに基づいた緻密なロードマップを組み合わせることで、測定可能で長期的な変化を生み出すための指針となっています。

具体的な取り組みとして、2027年までに総廃棄物量を10%削減し、2034年にはリサイクル率85%を達成するという資源循環の徹底を掲げています。

また、2034年までにキャンパス内の生物多様性を20%向上させる「ネイチャー・ポジティブ」への転換や、2027年までに全学生を対象としたサステナブル教育プランを始動させるなど、環境再生と次世代育成を両立させています。

研究面においても、研究室の環境負荷を低減する「LEAFプログラム」の拡大を通じて、国連のSDGsに直結する成果を追求し続けています。UCLは、データに基づいた緻密な戦略と誠実なアクションによって、持続可能な未来を切り拓く旗振り役としての地位を確固たるものにしています。

関連コース:

  • バートレット(建築・環境学部) / The Bartlett Faculty of the Built Environment
  • 持続可能資源研究所 / UCL Institute for Sustainable Resources (ISR)
  • 地球科学部 / Department of Earth Sciences

2. エジンバラ大学

University Of Edinburgh

エジンバラ大学(University of Edinburgh)は、1583年に創設されたスコットランド最高峰の公立研究型大学であり、世界で最も歴史ある大学の一つです。長い伝統を誇る一方で、現代の地球規模の課題に対しても極めて進歩的な姿勢を示しており、教育・研究の両面で世界をリードしています。

特にサステナビリティに関しては、大学の活動を通じて環境をより良い状態に再生させる環境再生型(Regenerative)の大学を目指すという、非常に高い志を掲げているのが特徴です。

エジンバラ大学が打ち出した「環境再生型サステナビリティ戦略」は、学内のエネルギー消費から学生の移動に伴う排出量に至るまで、あらゆる活動を網羅した包括的なロードマップです。この戦略では、単にダメージを最小限に抑えるという従来の考え方を脱却し、気候変動、自然の喪失、化学汚染、資源枯渇といった相互に関連する「複合的な環境危機」に対して、統合的な解決策を提示することを目指しています。

すでに過去の気候戦略における2025年までの中間目標(売上高あたりの炭素排出量50%削減など)を前倒しで達成しており、その実績は大学の実行力の高さを証明しています。

この戦略は単なる運営上の目標にとどまらず、研究、イノベーション、学習、そして大学の文化そのものにサステナビリティを組み込むことで、世界最高水準のリーダーシップを発揮し続けることを意図しています。

関連するコース

  • 地球科学部 / School of Geosciences
  • エジンバラ気候変動研究所 / Edinburgh Centre for Carbon Innovation (ECCI)
  • 生物科学部 / School of Biological Sciences
  • エジンバラ・カレッジ・オブ・アート(環境デザイン) / Edinburgh College of Art (Environmental Design)
  • 社会・政治科学部(環境政策) / School of Social and Political Science (Environmental Policy)
  • ビジネススクール(サステナブル・ビジネス) / University of Edinburgh Business School (Global Strategy & Sustainability)
  • 工学部(再生可能エネルギー) / School of Engineering (Sustainable Energy)

3. ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス

The London School Of Economics And Political Science LSE

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)は、1895年の創立以来、社会科学の分野で世界を牽引してきた名門校です。政治、経済、社会学において世界トップクラスの研究成果を誇るLSEは、持続可能な社会の実現を単なる環境問題としてだけでなく、経済システムや公共政策など、社会科学の重要課題として捉えているのが大きな特徴です。

LSEのサステナビリティ戦略の核となるのは、グローバルな影響力を持つ研究と、次世代のリーダーを育成する教育プログラムです。

キャンパス自体もロンドン中心部の過密な都市環境にありながら、エネルギー効率の徹底した改善や再生可能エネルギーへの切り替えにより、都市型キャンパスのモデルケースとなることを目指しています。

教育面においても、環境と開発、持続可能な金融、気候変動の政治経済学といった多角的な視点から学べるプログラムを充実させており、学生が卒業後、社会のあらゆるセクターでサステナビリティを実装できる能力を養う環境を整えています。

LSEは、社会科学の知見を総動員して「持続可能な世界を形作る」という戦略的使命を、研究・教育・運営の全方位で実践しています。

関連コース

  • 地理環境学部 / Department of Geography and Environment
  • グランサム気候変動・環境研究所 / Grantham Research Institute on Climate Change and the Environment
  • 経済学部(環境経済学) / Department of Economics (Environmental Economics)
  • 政府学部(気候政治) / Department of Government (Climate Politics)
  • グローバル・スクール・オブ・サステナビリティ / Global School of Sustainability
  • 金融学部(サステナブル・ファイナンス) / Department of Finance (Sustainable Finance)

4. インペリアル・カレッジ・ロンドン

Imperial College London

インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)は、科学・工学・医学・ビジネスの4分野に特化した、世界最高峰の理工系研究大学です。その卓越した学術的背景から、サステナビリティへのアプローチも非常に実践的かつ革新的です。

2026年3月には「サステナビリティ月間」を開催し、クリエイティビティ、コミュニティ、そしてチャレンジをテーマに、大学一丸となって持続可能なライフスタイルの実践と学習に取り組みました。

同大学が掲げるビジョンの核となるのは、「ゼロ・ポリューション」の未来です。単に二酸化炭素の排出を抑えるだけでなく、大気汚染やプラスチック廃棄物など、地球環境を脅かすあらゆる「汚染」をゼロにすることを目指しています。

大学の取り組みはキャンパス運営にとどまらず、研究や教育、そして学生主導のアクションにまで深く浸透しています。世界トップレベルの科学的知見を社会に還元するだけでなく、自らが「ゼロ・ポリューション」を実証することで、よりクリーンで持続可能な世界の実現に向けた道を切り拓いています。

関連コース

  • 自然科学部 環境政策センター / Centre for Environmental Policy, Faculty of Natural Sciences
  • グランサム気候変動・環境研究所 / Grantham Institute – Climate Change and the Environment
  • 土木環境工学科 / Department of Civil and Environmental Engineering
  • 地球科学・工学科 / Department of Earth Science and Engineering

5. マンチェスター大学

University Of Manchester

マンチェスター大学(university of Manchester)は、英国で初めて社会責任(Social Responsibility)を核心的な戦略目標に掲げた大学として知られており、サステナビリティの分野でも常に世界をリードし続けています。

2026年のQSサステナビリティランキングでは世界第10位にランクインしており、国連のSDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献度を測るランキングでも、毎年世界トップ10入りを果たす唯一の大学としての地位を確立しています。

同大学の環境戦略「Our Sustainable Future (2023–28)」では、単なる環境負荷の削減にとどまらず、大学が持つ知識と影響力を駆使して、地域社会から世界全体に至るまで「より健康で持続可能な世界」への進歩を牽引することを決意しています。特に注目すべきは、教育と研究を戦略の核に据えている点です。学生に対しては、卒業後にどのような職種に就いても「サステナビリティの視点」を持って行動できるよう、全ての学問領域に環境意識を浸透させる取り組みを行っています。

また、運営面では、2038年までにマンチェスター市全体でカーボンニュートラルを達成するという地域目標に歩調を合わせ、大学独自の脱炭素ロードマップを強力に推進しています。化石燃料関連企業からの投資撤退(ダイベストメント)をいち早く表明し、キャンパス内の全プロジェクトで生物多様性を向上させるなど、その行動は多岐にわたります。

関連コース

  • 環境・教育・開発学部 / School of Environment, Education and Development (SEED)
  • アライアンス・マンチェスター・ビジネス・スクール / Alliance Manchester Business School (MSc Sustainable Business)

6. オックスフォード大学

University Of Oxford

オックスフォード大学(University of Oxford)は、世界トップの研究力を活かし、「Oxford Net Zero」などのプラットフォームを通じて世界の気候政策を牽引しています。

2035年までにネットゼロおよび生物多様性の純増を目指しており、全学問領域にサステナビリティ教育を組み込む「Responsible Futures」の認証も受けています。

関連コース

  • MSc in Environmental Change and Management
  • MSc in Sustainability, Enterprise and the Environment

7. キングス・カレッジ・ロンドン

Kings College London

キングス・カレッジ・ロンドン(King’s College London)は、社会正義と環境問題を繋げたアプローチが特徴で、2026年のQSサステナビリティランキングでは世界16位にランクインしています。毎年2月を「気候・サステナビリティ月間」とし、学内全体でアクションを促す大規模なイベントを開催しています。

関連コース

  • MSc Climate Change: Environment, Science and Policy
  • MSc ESG Management

8. ブリストル大学

Bristol University

ブリストル大学(University of Bristol)は、イギリスで初めて「気候非常事態」を宣言した大学の一つです。地域コミュニティや地元の環境セクターとの連携が非常に強く、実践的なフィールドワークやインターンシップが豊富なのが魅力です。

これまでサステナビリティの分野で先導的な役割を果たしており、学際的なグローバルな研究を推進しています。2007年以降、大学が使用する土地の炭素排出量を45%削減する大きな成果を上げました。

学生住居に導入されたヒートポンプや太陽光発電は、大学がサステナビリティをどれだけ重視しているかを示しています。ブリストル大学は積極的に2030年までにネットゼロエミッションのキャンパスを目指し、持続可能な未来に向けて炭素排出を削減し、最終的にはゼロ排出を達成することを目標にしています。

関連コース

  • BSc Environment and Sustainability
  • MSc Climate Change Science and Policy

9. ダラム大学

Durham University

ダラム大学(Durham University)は、「環境持続可能性」を戦略の中核に据え、2026年から新たに環境工学やサステナビリティに特化した修士課程を複数新設するなど、教育体制を急速に強化しています。エネルギー、格差、開発を統合的に捉えるユニークな研究アプローチが特徴です。

関連コース

  • MSc Environmental Sustainability (2026年新設)
  • MSc Sustainability, Energy and Development

10. リーズ大学

University Of Leeds

リーズ大学(University of Leeds)は、サステナビリティ研究所(SRI)を擁し、社会科学と自然科学を融合させた学際的な教育に定評があります。

学外の主要な環境組織とのネットワークが強く、気候変動適応や天然資源のガバナンスなど、実社会の課題解決に直結するリーダーの育成に注力しています。

関連コース

  • MSc Sustainability and Consultancy
  • BSc Sustainability and Environmental Management

まとめ

ここまで、サステナビリティの最前線をリードするイギリス上位10大学をご紹介しました。圧倒的なスピードで脱炭素を目指すUCLやエジンバラ大学、社会科学の視点から解決策を探るLSE、そして「公害ゼロ」の技術を追求するインペリアル・カレッジなど、どの大学も独自の強みを持ち、学生一人ひとりが行動を起こせる環境を整えています。

これらの大学で学ぶことは、単なる学位の取得にとどまらず、地球規模の課題に立ち向かう知恵を身につけ、自分自身の人生をアップデートする経験になるでしょう。

これらの大学、学部コースにご興味のある方は、ぜひ弊社にお気軽にご相談ください。留学のプロフェッショナルとして、あなたの夢を形にする最適なプランを提案します。

FAQ よくある質問

サステイナブルキャンパスとは、環境的に持続可能な方法で運営される大学や教育機関のキャンパスを指します。これは、エネルギー使用、資源消費、廃棄物管理などの面で環境に配慮したアプローチを採用することを意味します。

サステナビリティ学は、以下のような多様な学問分野からのアプローチを組み合わせ、複雑な環境および社会経済的な課題に対処するための包括的な視点を提供します。

  • 環境保全
  • 社会正義
  • 経済的持続可能性
  • 持続可能な開発
  • 気候変動と緩和策など

サスティナビリティとSDGsの学問的な違いとしては、サステナビリティがより広い概念としての持続可能性に焦点を当て、原理、理論、実践の総合的なアプローチを探求するのに対し、SDGsは具体的な目標と指標を通じて持続可能性を達成するための国際的な取り組みに焦点を当てているという点が挙げられます。SDGsはサステナビリティの目標を達成するための具体的なフレームワークを提供し、政策立案、教育、ビジネス戦略など、多様な分野での適用を促進します。

サスティナビリティ分野における主な学部は以下をご参考ください。

  • Environmental Science Courses – 環境科学
  • Corporate Social Responsibility Courses – CSR 企業の社会的責任
  • Social Entrepreneurship Courses – 社会起業
  • Renewable Energy Courses – 再生可能エネルギー
  • Climate Change Courses – 気候変動
  • Strategic Management Courses – 戦略経営
  • Urban Planning Courses – 都市計画
  • Agriculture Courses  – 農業

サステナビリティ分野の知識やスキルは、人々の増加する環境意識や、環境法の規制・政策などをうけ、現代の就職市場において非常に有利であり、需要が高まっています。持続可能な実践はコスト削減、効率向上、新たなビジネスモデルの創出により、経済的な利益にもつながるため、サステナビリティに関する知識やイノベーション能力が価値を持ちます。

イギリスでサステナビリティを学ぶ主なメリットは、世界クラスの教育、多様な国際的ネットワーク、研究とイノベーションの中心地での学習、実践的な経験の機会、文化的多様性の理解、および英語力向上です。これらは、学生にとってグローバルな視野を広げ、サステナビリティの分野でのキャリアを追求するための強力な基盤を提供します。

サステナビリティ分野の学位は、市場の需要が高く、多様なキャリアパスを提供し、社会的および環境的にポジティブな影響を与える能力を身につけることができます。この分野は、持続可能な開発に貢献し、グローバルな視点を持つ職に就きたいと考える人にとって、非常に価値があります。結果として、サステナビリティに関する学位は、個人のキャリア目標や社会に対する貢献に大きく寄与する可能性があります。