スコットランド の教育と研究の中心地、エディンバラ大学(The University of Edinburgh) は、有名な世界大学ランキングでも常にトップクラスの人気が高い名門校であり、その教育学部は、200年近くに渡る教育学の伝統を持つ評判の高い学部です。教育学部が提供するエディンバラ大学の大学院プログラム、MSc Educationコースは その中で最も人気のあるコースの1つであり、教育政策や研究、実践で教育に従事したい方の基盤となる理想的な知識やスキルを提供しています。
今回は、エディンバラ大学のMSc Education (Philosophy of Education)コースを卒業されたR.Sさんの留学体験談をお届けいたします。これからエディンバラ大学 留学を目指している方、イギリス留学にご興味をお持ちの方にも必見の内容です。
エディンバラ大学留学・就職体験談(前編)
前編では、
①なぜエディンバラ大学に留学したのか
②修士論文を執筆する期間の過ごし方
③修士課程後、なぜエディンバラに残り、大学で働いたのか
の3点について、私の経験をご紹介します。
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①なぜエディンバラ大学に留学したのか
留学した理由
実は、修士で海外大に進学するよりもずっと前から海外進学・留学には興味がありました。しかし、長期的にやりたいことを考えたときに、「日本での教育を自らうけて、経験すること」が必要だと感じ、高校や学部生の時点ではあえて海外進学・留学を選択しませんでした。
学士号を取得後、就職してから自分の悩みや経験をもとに、「教科・科目という堅固な枠組みを超えたカリキュラムのあり方」という追究してみたいテーマを見つけ、修士課程への出願を決断しました。(1)このテーマを深掘りするうえで、日本以外の視点を取り入れたかった、(2)自己を探す・試す面でも、慣れ親しんだ環境から一度離れて一から自分で生活を築きたかった、の2つの理由で、10年近く頭にあった海外大進学・留学に挑戦することにしました。
エディンバラ大学を選択した理由
エディンバラ大学を知るきっかけは、当時相談にのってくれた友人が「私の友人がエディンバラ大学の教育学部を卒業していて、なんかよさそうだから調べてみたら?」と言ってくれたことにあります。それまで、正直名前を聞いたことがなく、どこの国にあるかすら知りませんでした。友人の勧めで大学を調べるなかで、MSc Education (Philosophy of Education pathway) 課程(プログラム)の存在を知りました。その課程概要を読んだときの衝撃を今でも覚えています。
それまでは、追究したい問いを深掘りできるのは Curriculum Development(カリキュラム・教育課程開発)に類する課程だと思い込んでいました。さらに、課程のタイトルにある Philosophy(哲学)には高尚なイメージを抱いていたため、出願候補には入らないだろう、と頭の片隅で思っていました。そう思いながら 課程概要 にある「教育とは何か」「学ぶとは何か」「知識とは何か」などの問いを見たとき、「そうだ、これだ!」と一気に心が惹かれ、以降エディンバラ大学のこの修士課程が第一志望となりました。
ほかにも、(1)アメリカやカナダと比べて学費が安い、(2)短い期間(1年)で修士号を取得できる、などの点も好ましかったですが、最大の理由は上述の通り、修士課程の内容に一目惚れしたからです。
授業の様子や学生生活については、 こちらの過去のブログ記事 をご参照ください。
②修士論文のタイムライン・意識したことトップ2
タイムライン
私のプログラムでは下記のようなタイムラインでした。プログラムによってタイムラインに差がありますので、あくまで参照用として使用してください。
2学期の期末試験や期末エッセイの提出が4月まであることが多いため、論文執筆を開始し、没頭できるのは概ね5月からになります。多くの修士課程の論文提出期限が8月中に設定されているため、 論文に打ちこめるのは最大3ヶ月 ということになります。ここでは、私が論文執筆期間中に意識したことトップ2をご紹介します。
(1)早い時期から動き出して、計画的に進める
上述のように、探究したい問いがあったので、2学期初めに論文のトピックを提出することにはあまり迷いがありませんでした。なかには「何をトピックにしたらいいか分からない」と困惑していたクラスメイトもいたので、 修士課程の初めのほうから論文のアイディアを少しずつでも定期的に書き出してみる ことをお勧めします。授業でおもしろいと思ったことでも、友達と話をしていて芽生えた疑問でも、何でも種になります。
3ヶ月で論文1本を仕上げるのはなかなか大変です。さらに、論文トピックも指導教官のスタイルも異なることが多いため、クラスメイトと進捗を比べようがないのが正直なところです。そうなると、期日に間に合うように、どう論文を進めるかを自分なりに計画を立てて、その計画に照合して進捗を確認し、時折計画も修正することが大事になります。また、休息の時間も忘れずに加味して計画を立てることも心がけました。ご参考までに、私の立てた予定(上段)と実際の進捗(下段)は下図の通りです。
指導教官と会う頻度やタイミングは、指導教官のスタイルにもよりますが、できるだけ 進捗予定の「肝」となるタイミング (例:先行研究が一通り終わって分析を少し始めた段階) に設定する ことをお勧めします。
(2)研究内容は違えど仲間:友達と一緒に切磋琢磨
タイムラインを見てお分かりかもしれませんが、論文に打ちこむ時期は学期外なので授業やワークショップがありません。クラスメイトと会う時間が予め計画されていないため、4月以降、自然と人と会う時間がガクッと減りました。4~5月にエッセイや論文執筆を進めるなかで、孤独に感じることが多くなっていったことを覚えています。
その状況を打破するために、6月以降、柔軟な予定を活かして積極的に友達やチューター等と会う時間を作りました。お互いのモチベーションを維持するためにも、平日にMain Libraryの study pods で2~3人の友人同士でスタディ・グループを作って、ひたすら各々の論文執筆を進めながら、一緒に昼休憩をとったり、ときにはお互いの論文について話し合って議論したり、見える形でお互いに支え合い、「ともに論文執筆に挑んでいる」という感覚を共有していました。
Main Library study pod の様子
③修士課程後、なぜエディンバラに残り、大学で働いたのか
修士課程を始めるまでは、漠然と博士課程に進学することを検討していました。しかし、1学期が終わった段階で、「学生ではない身で、エディンバラに残りたい」と感じるようになり、2学期から細々と現地での就職活動を始めていました。振り返ると、修士の1年で築きあげた人間関係や暮らしの根をまだまだ堪能していたい、と思っていたのでしょう。
エディンバラ大学を就職先として志望したのには、いくつか理由があります。もっとも大きな理由は、修士課程を満喫したため、大学のコミュニティに何か恩返しがしたいと思ったからです。そして、前職が日本の中等教育の教員だったこともあり、外国の別の教育レベルを扱う機関で働いて刺激を受けてみたい、という気持ちがありました。
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こうしてイギリス・エディンバラに残ることになり、後編 では、
①イギリス滞在のためのビザ取得
②イギリスでの就職活動
③イギリスで働いてみて
④イギリスでの4年半を振り返って
の4つのトピックについて、私の経験をご紹介します。
R.Sさん、ありがとうございました!これから留学という方も、R.Sさんのエディンバラ大学留学体験談から、留学に向けて大きな刺激を受けたのではないでしょうか。さらに後編 に続きますのでご期待下さい。
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