「絵本作家・絵本イラストレーターになりたい」「アートを学びながら絵本の世界でキャリアを築きたい」という方はいませんか?

イギリス・ケンブリッジにあるアングリア・ラスキン大学(Anglia Ruskin University / ARU)のMA Children’s Book Illustrationは、2001年に世界で初めて開設された絵本挿絵専門の大学院コースです。世界各国から学生が集まり、卒業生は国際的な絵本作家・イラストレーターとして活躍しています。

この記事では、このユニークなコースの内容・特徴・入学条件・卒業後のキャリアまで詳しくご紹介します。

Anglia Ruskin University

この記事でわかること

  • 世界初の絵本挿絵専門大学院コース・MA Children’s Book Illustrationの概要と特徴
  • コースで学ぶ内容・使用できる施設・卒業後の機会
  • 入学条件・学費・ポートフォリオ提出について

アングリア・ラスキン大学とは?

アングリア・ラスキン大学(Anglia Ruskin University / ARU)は、イギリス・ケンブリッジにメインキャンパスを構える大学です。もともと美術学校として創立した歴史を持ち、アート・デザイン系のプログラムは特に質が高く、国内外で高い評価を受けています。

2023年の英国教育優秀フレームワーク(TEF)ではゴールド評価を獲得しており、教育の質の高さが公式に認められています。アートの街として知られるケンブリッジに位置し、ケンブリッジ大学・各種美術館・文化施設との連携も活発です。

その中でも特に世界的な注目を集めているのが、Cambridge School of Art(ケンブリッジ・スクール・オブ・アート)が提供するMA Children’s Book Illustrationです。

MA Children’s Book Illustrationとは?

Anglia Ruskin University MA Childrens Book Illustration

MA Children’s Book Illustrationは、2001年に世界で初めて開設された絵本挿絵に特化した大学院修士課程コースです。初代コースリーダーのマーティン・ソールズベリー教授(Professor Martin Salisbury)によって設立され、以来20年以上にわたって世界中の絵本作家・イラストレーターを輩出してきました。現在のコースリーダーはシェリー・ジャクソン(Shelley Jackson)です。

イギリス全土にイラストレーションを学べる大学は数多くありますが、絵本の挿絵に特化した内容を提供しているコースは非常に珍しく、世界的にも稀有な存在です。世界各国から才能ある学生が集まり、多様な文化的背景を持つ仲間とともに切磋琢磨しながら学べる環境が整っています。

コースの4つの特徴

1. 世界的に活躍する絵本画家を数多く輩出

これまでの卒業生には、国際的に著名な絵本作家・イラストレーターが数多く含まれています。

  • Paula Metcalf(イギリス)
  • Marta Altés(スペイン)
  • Nadia Shireen(イギリス)
  • Birgitta Sif(アイスランド)
  • Steve Antony(イギリス)
  • Eva Eland(オランダ)
  • Kate Winter(2024年Klaus Flugge Prize受賞、現在ARU講師)

2024年には卒業生のKate WinterがKlaus Flugge Prize(賞金£5,000)を受賞。2025年のBatsford Prizeも卒業生のWill Knightが子どもの挿絵部門で受賞するなど、在学中・卒業後を通じて数多くの受賞実績を誇ります。

出典:アングリア・ラスキン大学公式サイト

2. ロンドンおよびケンブリッジでの卒業制作展示

修了後は、出版社や文学エージェントに向けてロンドンで開催される卒業制作展(Graduation Exhibition)に任意で参加できます。展示では出版社・文学エージェントへの作品プレゼンテーションの機会があり、業界へのデビューを強力にサポートします。

展示はその後ケンブリッジのラスキン・ギャラリー(Ruskin Gallery)に移り、作品カタログの制作・専用ウェブサイト(cambridgemashow.com)の運営・SNSキャンペーンも学生自身が主体となって行います。これらの取り組みを通じて、卒業前から出版業界とのつながりを築くことができます。

3. ボローニャ国際児童図書展(Bologna Children’s Book Fair)への参加機会

修了後は、世界最大の児童書の見本市であるボローニャ国際児童図書展(Bologna Children’s Book Fair)のARUブースに参加できる機会があります。チューター(指導教員)が学生の作品を世界中の出版社に紹介してくれるという、非常に貴重なプロフェッショナル開発の機会です。

この機会はMAコースの修了生のみに与えられる特典(別途参加費あり)で、卒業後のキャリアへの扉を開く重要なステップとなっています。

4. 実践重視のスタジオ教育と手厚い個別指導

コースの核となるのはスタジオ文化(Studio Culture)です。1対1チュートリアル・グループチュートリアル・セミナー・ワークショップ・スタジオクリティークを通じて、理論・文脈・実践を幅広く学びます。

指導教員(チューター)は全員、幅広い専門性を持つ現役の実践者(Practitioner)であり、単なる学術的指導にとどまらない、現場に根ざしたきめ細やかなアドバイスが受けられます。コースが進むにつれて、フリーランスのイラストレーターとして独立できるよう、自主的な研究・制作の能力を段階的に育てていきます。

Expert View

世界的にも類を見ない絵本特化型のカリキュラムであり、単なる技術習得を超えた「出版業界への直結ルート」が最大の強みです。ロンドンでの卒業制作展やボローニャ児童図書展への出願機会など、在学中から国際舞台での露出が担保されている環境はなかなかありません。世界各国の才能と競い合う覚悟を持つ方に最適の選択でしょう。” – Yoshiyuki Suzuki, Counsellor, StudyIn.

コースで使える施設

学生はラスキン・ギャラリーを見渡す専用イラストレーション・スタジオで制作活動を行います。利用できる主な施設は以下のとおりです。

  • 専用イラストレーション・スタジオ:ラスキン・ギャラリーを一望できる制作スペース
  • 版画制作スタジオ(Printmaking Studio):フル設備の版画工房が利用可能
  • オープンアクセス・ライフドローイングセッション:人体描写の実践練習
  • デジタル環境:スキャン・印刷設備、オンライン教育プラットフォーム(Canvas)

また、コース全体の講義への参加やコミュニティ活動を通じて、さまざまな背景を持つ学生と作品を共有・議論しながら学ぶ刺激的な環境が整っています。

コースの概要・学費

項目 内容
コース名 MA Children’s Book Illustration
学位 修士(MA)
期間 フルタイム:18ヶ月 / パートタイム:30ヶ月
開講場所 ケンブリッジ(Cambridge School of Art)
授業形式 月・木曜日または火・金曜日(9:00〜15:00)+一部水曜日に講義・活動あり
留学生年間学費(2025/26) £20,200
英国学生学費(2025/26) £13,500(コース全体)
その他費用 材料費:年間約£250程度の目安(素材・技法の実験に応じて変動)

出典:アングリア・ラスキン大学公式サイト

入学条件と出願について

学歴・経験の要件

関連分野の学士号(2:1以上)または同等の海外の学位が必要です。ただし、正式な学位資格を持たない場合でも、業界での実務経験が豊富な方は出願を歓迎しています。

英語力の要件

英語を母語としない方は、IELTS Academic 6.5以上(または同等の資格)が必要です。

ポートフォリオ・面接

出願時にポートフォリオの提出が必須です。書類選考を通過した方は、約20分間の面接に招待されます。面接では追加の作品や経験を証明する資料の持参を求められる場合があります。

出願締め切りについて

このコースは非常に人気が高く、定員に限りがあります。国際学生は3月15日までの出願を強く推奨しており、4月12日以降の出願では空きが保証されない場合があります。早めの出願が重要です。

卒業後のキャリア

MA Children’s Book Illustrationの修了生の多くは、フリーランスの絵本作家・イラストレーターとして活躍しています。イギリス国内のみならず、世界各国の出版社から作品を出版し、国際的なキャリアを築いた卒業生も数多くいます。

卒業制作展・ボローニャ国際児童図書展への参加を通じて在学中から業界とのネットワークを構築できることが、このコースの大きな強みです。また、卒業生の中にはARUの講師として後進の指導に携わっている方もいます。

StudyInのアート&デザインサービス

StudyInでは、イギリスの芸術大学・美術大学を目指す方向けにアート&デザインサービスを提供しています。

日本とイギリスでは、ポートフォリオの作成方法やアピールするポイントが大きく異なります。StudyInでは構成・キャプションの作成も含めたポートフォリオ作成のサポートを行っており、アングリア・ラスキン大学をはじめとするイギリスのアート系大学への出願を経験豊富なコンサルタントが一貫してサポートします。奨学金に関する情報提供やビザ手続きのサポートも行っており、東京(恵比寿)・大阪の両オフィスおよびオンラインでご相談いただけます。

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よくある質問(FAQ)

MA Children’s Book Illustrationは世界で唯一のコースですか?

はい、2001年の開設当初から「世界初・世界唯一の絵本挿絵専門大学院コース」として知られています。イラストレーション全般を学べる大学は世界中に多数ありますが、絵本挿絵に特化した修士課程プログラムはアングリア・ラスキン大学のみです。

絵本の挿絵やアートの学位がなくても出願できますか?

関連分野の学士号(2:1以上)が基本的な要件ですが、正式な学位がなくても業界での実務経験が豊富な方は出願を歓迎しています。ポートフォリオの内容と面接での評価が重視されるため、まずは作品を準備してStudyInにご相談ください。

フルタイムとパートタイムの違いは何ですか?

フルタイムは18ヶ月、パートタイムは30ヶ月でコースを修了します。働きながら学びたい方・日本在住のまま一部オンラインで学びたい方はパートタイムが選択肢となります。いずれも同じ修士(MA)の学位が授与されます。

ボローニャ国際児童図書展への参加は必須ですか?

いいえ、任意参加です。コース修了後にARUのブースから世界の出版社に作品を紹介してもらえる貴重な機会ですが、別途参加費が必要です。卒業制作展(ロンドン・ケンブリッジ)への参加も同様に任意です。

ポートフォリオはどのようなものを準備すればいいですか?

絵本のイラストレーションに関連した作品を中心に、自分のスタイルや表現の幅が伝わる内容が求められます。日本とイギリスではポートフォリオの構成やアピールポイントが異なるため、StudyInのアート&デザインサービスでサポートを受けることをおすすめします。